女子ボクシングのトランスジェンダールールはいつから変更した?歴代の試合で起こった問題を調査

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パリオリンピックにおいて、2人の選手が「ボクシング女子」へ参加していることに、国際的な論争を呼んでいます。

両選手は、過去に「女子」選手としての参加資格がないと判断されたにもかかわらず、IOCが参加を認めたのです。

女子ボクシングのトランスジェンダールールは、いつから変更されたのでしょうか。

今回は、女子ボクシングのトランスジェンダールールについて、調査しました!

ぜひ最後まで御覧ください。

目次

女子ボクシングのトランスジェンダールールはいつから変更した?

ボクシング女子への参加が物議を醸しているのは、アルジェリア代表のエイマヌン・ハリフ選手と、台湾代表のリン・イクテイ選手です。

ハリフ選手は8月1日、ボクシング女子66キロ級予選16ラウンドにて、イタリア代表のアンジェラ・カリーニ選手と対戦しました。

試合開始わずか46秒で、カリーニ選手が棄権。

ハリフ選手の勝利となりました。

カリーニ選手は開始30秒で顔面へパンチをもらい、鼻に強い痛みを感じたので、続行を断念。涙を流しています。

IOCは、「2024年パリオリンピックのボクシング競技に参加するすべての選手は、競技の資格と参加規則、およびパリ2024ボクシングユニット(PBU)が定めるすべての医療規則に従う。これまでのオリンピックボクシング競技と同様に、選手の性別と年齢はパスポートに基づいている」などのコメントを発表している。

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ヘリフ選手は、女性として誕生したものの、男性のXY染色体を持つ性分化疾患だそうです。

この場合、生まれ持った体と心の性別が一致しない、トランスジェンダーとは異なります。

しかし世間では、過去に性別適格性検査に不合格となった選手が出場することで、さまざまな批判を集めています。

女子ボクシングのトランスジェンダールールは、どのようになっているのでしょうか。

2024年にルール変更

アメリカの「USAボクシング」は、2024年1月1日から、女性としての性自認を持つ選手が女子の試合に参加することを認めています。

2024年のルールブックにトランスジェンダーに関する指針を追加し、性自認が女性であることを宣言し、テストステロン(男性ホルモン)を一定の基準値以下に保ち、「性別適合(性転換)手術」を受けていることを条件に、18歳以上の生物学的男性が女性と対戦することを認めた。

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男性から女性へのトランスジェンダーで、性器の切除をする「ボトムサージェリー」手術を受けるのは、ごく一部。

そのため、トランスジェンダー選手の大半が、女子のリングに立てない可能性が高いです。

USAボクシングは、「すべてのボクサーに公平性と安全性を提供する」と、ルールを改定したことを説明しました。

しかし、世間ではいかなる条件でも、「男性生まれのボクサーを女性と対戦させるのは、女性を身体的危険にさらす」と批判。

「USAボクシングは、カメラや照明の下で、ファンの声援を受けながら、男性が女性を殴ることを許可している」と投稿した。保守派コメンテーターのダナ・ローシュ氏は、「彼らは女性のコスプレをした男たちがリングの上で女性を殴り殺すことを奨励しようとしている。私の家ではもう@USAボクシングの試合は見ない」と訴えた。

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国際オリンピック委員会(IOC)は、2021年11月、各スポーツ団体に対し、トランスジェンダーに関する方針を決定するよう求めました。

これを受け、指針を策定したようです。

ボクシングの国際連盟は、トランスジェンダーの資格を決定していなかったため、USAボクシングが独自の規定を設けたようです。

ルールでは、18歳未満のボクサーは、出生時の性別で出場することが義務付けられています。

18歳以上は、男性から女性へのトランスジェンダー選手は手術を受けることに。

手術後最低4年間は、四半期ごとにホルモン検査の結果を、USAボクシングに提出する必要があります。

手術や検査など、選手は莫大な費用が必要になりますね。

順守されていない場合は、その選手の女子競技会へ出場資格は1年間停止されます。

オリンピックのルールは明確ではない?

IOCは東京大会後の2021年、選手の性別の扱いに関する指針を発表しました。

しかし、基本的に各国際競技団体にルールを一任しており、スポーツによってバラバラです。

陸上の世界陸連や世界水泳連盟は、性別に関する参加資格のルール作りを進めていました。

ボクシングのIBAは、組織運営の問題が原因で、2019年にIOCにオリンピック統括団体としての地位を停止されています。

つまりボクシングにおいて、ルールを決める団体が存在しないのが現状なのです。

そこでIOCは、パリオリンピックにおいて、ボクシング競技実施のために、ボクシングユニット(PBU)を設立。

しかし、PBUには、女子選手として参加するための条件は示されていません。

今回の騒動を受け、IOCは声明を発表。

「2024年パリオリンピックのボクシング競技に参加するすべての選手は、競技の資格と参加規則、およびパリ2024ボクシングユニット(PBU)が定めるすべての医療規則に従う。これまでのオリンピックボクシング競技と同様に、選手の性別と年齢はパスポートに基づいている」とした。

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今回の両選手は、パスポート上で『女性』であり、これまでも競技に参加してきました。

よって、IOCとしては、女子競技参加には何の問題もないということのようです。

ヘリフ選手らが、誤解を招く報道のされ方をしており、誹謗中傷をやめるよう呼び掛けています。

IOCは2004年からトランスジェンダー選手の参加を認めており、2015年には男性ホルモン(テストステロン値)によって判断されるとしていました。

ただ、テストステロン値=運動能力の指標となるわけではないので、2021年には、一括で決めるのではなく、競技ごとに規定を定めることとしました。

女子ボクシングの歴代試合で起こった問題は?

カナダのアマチュアボクサー、カティア・ビソネット選手は、ケベック州での選手権を振り返っています。

対戦相手のマヤ・ウォームズリー選手が、男性から女性へのトランスジェンダーということを知り、辞退したのです。

これは、試合1時間前に知らされたとのこと。

ビソネット選手は、研究結果で体重が同じであっても、男性のパンチは女性のパンチより163%強いことを強調。

不戦勝のウォームズリー選手は、「私やコーチ、ケベック・オリンピック・ボクシング連盟に行かず、メディアに出た」と批判し、騒動になりました。

女性選手からすると、いくらトランスジェンダーであっても、もともと男性とは体のつくりが違いますし、不公平に感じますよね。

まとめ

今回は、女子ボクシングのトランスジェンダールールについて、紹介しました。

ボクシング協会では明確なルール決めがされておらず、IOCも各競技に一任している状況のようです。

パスポート上女性であれば、女子の試合に参加できるのが現状ですが、この騒動で再びルールが見直されるかもしれません。

今後の情報にも注目ですね!最後まで御覧いただきありがとうございました。

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